列島縦断浮浪者日記 12 最終回

6月1日 22日目

28日にバイクが故障してから4日目。とうとうバイクが直ったとの一報が入った。
それまで天気予報とにらめっこしながら京都から九州までの道をフェリーを使うか悩んでいたが、明日から天気が崩れそうるらしいし、修理が予想外に早くできたので、急きょ出発を決定!

その日は宇治に観光に来ていて、あの十円玉で有名な平等院鳳凰堂なんかを見て回っていた。運良くその日は早起きをして、観光を始めていたので一報があった時には大体見たい物は回り終えていた。
そんなわけで急いで家に戻り、バイクをピックして、荷物をパックして出発の準備をした。

慌てて用意するのには訳があって、宇治からの帰り、フェリー会社に出航確認と予約のために電話をすると予定していた時刻より2時間も早いではないですか!というのは出航場所がいくつかあって、神戸発の便は18:30出航だったのだ。

自分の間抜けさを痛感しながらも荷物を積み込み、慌ただしく叔母さんにお別れを言って出発。時間は15時をちょっと回ったところ。正直厳しい。慣れない道だし、周りの車の運転荒いし、大丈夫かと不安を抱えての運転。案の定渋滞に遭遇。しかも細い道路のためバイクの利点を生かせない、1K進むのに30分も使ってしまった。

それを過ぎると流れはスムーズになり、京都観光を思い出したりする余裕も出てきた。
それにしても京都滞在での観光は楽しかった。奈良の寺巡り、京都の寺巡り、宇治の寺巡り、全部寺巡り!いくつ見ても見きれないぐらい寺が沢山。あの辺はまだまだ楽しめる。
話は戻って、不安をよそにあっという間に神戸市に入った。時刻は16:50なかなかいい時間だ。目的地の六甲アイランドまでは20Kぐらい、30分あれば着くだろうと、ホッとしたのもつかの間、道に迷ってしまった。油断した。調子に乗って、方向は一緒だからと甲子園の矢印の方に曲がったのがいけなかった。町中を走る道は込んでるし、看板はないしどうしようもない。

しょうがないので最終手段の方位磁石に頼ることに。やっぱり方位磁石はすごかった。
きっちりオリをフェリーターミナルに導いてくれたではないですか!思えば、道中何度もコイツに助けられた。最高のパートナーだ。

そんなこんなでやっとこさ、六甲アイランドに到着。時刻は18:15、間に合った。でも当然乗船の時は怒られた。フェリー界では30分前には到着が原則だからで、さすがに15分前は頂けない。

肩身が狭い思いをしつつフェリーに乗り込むともう一台のバイクがあった。なんとそのバイカーさんが同じ部屋にいて、大学生ということもあってか意気投合してお喋り相手をしてもらった。夜、明石大橋の夜景を堪能して、お喋りしながら窓際でビールを飲んでると怪しげな外人が現れた。何だか不思議な魅力の持ち主でついつい話し掛けてしまった。彼は福岡の英語教師で休暇で旅をしていた。過去にはヒッチで九州一周などなかなかのツワモノだった。彼を交えて飲み明かすこと4時間、そろそろ寝る時間になった。というより寝なきゃまずい。明日はとうとうゴールの九州上陸。事故れない!毛布にくるまりすぐに就寝。

明け方バイカーの友達と共に案の定寝坊。到着10分前に起床慌てて荷物まとめて下に下りた。そこでバイカーの友達とお別れをして、いざ終点北九州へ。

ターミナルから30K弱、道に迷うことなく、待ち合わせのしんやさんと合流。その瞬間はホントに泣きそうだった。でも家に入って横になった途端に眠りに入ってしまった。きっと疲れがあったんだろう。
まぁ色々あったけど命があったことが何よりです。旅は人との出会いの素晴らしさを再認識できる良い機会を与えてくれるとしみじみ感じます。まだまだこれから多くの人とかかわっていくためにまた旅するぞ!

さぁこれから海の家で働くぞー!どんな出会いがあるのかなぁ...